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COLUMN

2024.11.18

Brotherly Love~兄弟の絆。

いよいよ『リヴ・フォーエヴァー: Oasis 30周年特別展』も“最終週”です。世界初展示の数々はもちろんなんですが、思う存分オアシスに浸ることのできる“あの空間”、“その場での体験”は一生忘れられないものになると思うんです。これまでデヴィッド・ボウイ展やジョン&ヨーコのダブル・ファンタジー展にも関わってきましたが、いまだに「あの場」を思い出しますもんね。あと1週間、是非この“空間の感触”を多くの方々に体感していただき、思い残すことなく、忘れられない思い出にしてもらえると嬉しいですね。

さて、このコラムも今回でラスト。最後はノエルとリアム、ギャラガー兄弟の絆について。まあ、このお二人を語る上で仲の悪さや確執、兄弟喧嘩はどうしてもお約束のように語られていますが、そんな彼らでも兄弟愛や絆をちょこっと垣間見れる部分があるんです。オアシス展では、ある種今となっては貴重な瞬間を捉えた展示などもございます。

●Brothers In Arms

雑誌コーナーでは日本の雑誌の表紙写真で肩組みショットなども。まあ、たぶん二度と見ることできないでしょうね(笑)。もしかしたら日本ならではのものなのかもしれませんが、この貴重な2ショットを残してくれた日本の雑誌に感謝!って感じです。

●The Tour Of Brotherly Love

ポスターコーナーでは、同じく兄弟バンドのブラック・クロウズとのツアー、その名も「Brotherly Love Tour」のポスターも。ブラック・クロウズも兄弟仲悪かったんですよね~。でも今では一緒にツアーしています。ギャラガー兄弟の再結成ツアーも是非“Brotherly Love”でお願いします!

●「Acquiesce」

オアシスの隠れた名曲「Acquiesce」。ライヴ映えもしますし、これが一番好きだ!って方もいらっしゃるんじゃないですかね。ノエルとリアムが二人でパートを分けて歌うこの曲はまさに2人の兄弟愛、絆を感じられるような。この歌詞が胸アツなんです。

なぜなら俺たちはお互いを必要としているから
お互いを信じ合っているから
そして俺たちはさらけ出すのさ
お互いの魂の中に眠っているものを

喧嘩したって、なにはともあれ血の繋がった兄弟なわけですからね。お互いをリスペクトしてるというか、彼らの根底に流れているのは、まさにこういうことなんじゃないかと感じさせてくれます。

展覧会ではこの曲の歌詞アートが展示されています。

Oasis – Acquiesce (Live at Knebworth, 10 August ’96)

「Acquiesce」を2人がリード・ヴォーカルを分け合って歌っているネブワースのライヴも素晴らしい。最後の方でノエルが“What’s sleepin’ in our soul”と繰り返すところで、リアムがカメラに指差すところがなんかいいんですよね。

ついでにLyric Videoでは日本の風景も!?

“Oasis is me, my songs, and Liam’s voice.” by Noel

グッズ売り場で販売中の「パンフレット」に入っている、ノエルのこの名言。この一言に尽きますね。この言葉こそがバンドの本質を言い表しています。

『オアシスは、俺と俺の曲とリアムの声』

以前にも書きましたが、オアシスの最大の魅力は世界最高のソングライター=ノエルの曲を、世界最高のヴォーカリスト=リアムの「声」で歌い上げること。

リアムはノエルの曲を一回だけ聴かされて覚えてレコーディングする、とセカンドとサード・アルバムのプロデューサーであるオーウェン・モリスは語っています。

「ノエルはリアムに一度だけ歌って聴かせる。メロディ、歌詞以外にも微妙なニュアンスやタイミングなども含めて、リアムには一度しか歌って聴かせないんだ。で、リアムは初めて聴くにも関わらず、ノエルの曲を即座に覚える。あの能力は超人的だ。兄弟間の繋がりは強いよ。あんな曲の覚え方をできる人を、他には知らないな」

●兄弟ならではのエピソード

最後に兄弟ならではのエピソードをいくつか。兄弟ですから姿形も似ている部分があります。たぶん「眉毛」って思う方多いと思いますが、実は「手」がちょっとぷよぷよしていて、同じ感じなんです。

あと、兄弟そろって「リンゴ」好き(展覧会会場内で流れているビデオの中でファンから「2人の好きな果物は?」って質問に対して答えています)。そして、弟の不始末はすべて兄貴が責任もって片づけます。ライヴ、インタビュー等々、リアムがドタキャンしても、ノエルが代わりに行なったり、一人で演奏し歌うという・・・。

数限りない喧嘩もあったし、バンド活動停止にもなったけど、やっぱりノエルとリアムのふたりの絆があってこそのオアシスなんです。そして、その絆は再び復活。来るべき、祝・再結成ツアーに期待したいですね!

最後に2002年の来日日記を見つけましたので、日本での兄弟の過ごし方など、こちらも今となっては貴重な記録。ご覧いただければと!

オアシス来日日記(2002)
https://www.sonymusic.co.jp/Music/International/Special/Oasis/report

オアシスの長年のマネージャーのマーカス氏もお気に入りと言っていた兄弟写真。
https://oasisinet.com/the-story/